グループ内で素早く連携することで、少しでも早く治療を開始し、1つでも多くの命を救いたいと考えています。
獣医師ケアスタッフ共に、 循環器、整形外科、神経科、腎泌尿器科、人工透析科、腹腔鏡、画像診断科などにチーム体制で取り組みそれぞれの専門家が治療にあたっています。専門チームには若手も所属しチームの一員として活躍しています。
心臓外科チーム
整形外科チーム
脳神経チーム
腹腔鏡チーム
人工透析チーム
リハビリチーム
獣医循環器学会認定医
井口 和人
麻布大第一外科研究生帝京大医学部心臓血管外科大学院生
大竹 大賀
日本獣医生命科学大学神経科研究生磯野 新
日本獣医生命科学大学大学院生グループには2つの医療センターが存在し、精度の高い検査に始まり、それぞれの特色を活かした専門外科を実施しています。
・目白通り高度医療センターはCT検査機器を備え、軟部外科を中心に人工透析、人工心肺装置を用いた心臓外科にも対応しています。
・新目白通り第2高度医療センターではMRI検査機器を備え、整形外科を中心に手術顕微鏡を用いた脳神経外科にも対応しています。
当院のCT装置は、16列0,5スライスでの撮影が可能ですので、短時間で微細な構造が観察できます。
※動物でのCT検査は全身麻酔が必要になります。
CT検査は2種類あります。
造影剤などの薬剤を用いないCT検査のことで、造影剤を使わなくても十分に診断できると考えられる部位や疾患の検査に用いられます。
血管の状態や構造、腫瘍性病変の有無など臓器とのエックス線透過性がほとんど変わらない病変は、CT検査でも診断が困難なことがあります。しかし、造影剤を用いることによってこれらの病変も明瞭に描出され、より正確な診断が可能となります。
従来のレントゲンやCT検査は、放射線を照射して画像化しますが、その放射線が骨でほぼ遮られてしまうため、脳や脊髄について画像化することができませんでした。 MRIは骨の影響を受けずに画像化することができ、放射線による被曝もおきません。
まだまだ大学病院以外では導入が少なく身近ではありませんが、新目白通り第2高度衣料センターでご利用いただけます。
てんかんの様な発作があったり、片足の麻痺、目が見えなくて壁にぶつかる、たてなくなる、同じ方向にぐるぐる回るなどの症状があります。
特にてんかんの様な発作があった場合は、すぐにてんかんのお薬で様子をみてしまうと一定期間は発作が止まるのですが、薬が効かなくなった時には脳の病気が進行してしまい手遅れとなることもあります。
早い段階で一度はMRI検査を受けることをお勧めします。
椎間板ヘルニアのような症状で、立てなくなったり、腰や首をものすごく痛がったり、後ろ足の麻痺や前足の麻痺などがおこります。
脊髄の病気も脊髄が損傷する様な重症となるケースでは、損傷してからでは治療の施しようがなくなってしまうので早めにご相談ください。
他にも高度医療の一翼を担う様々な機器が整備されています。
心臓外科に欠かせない機器
心臓を止める必要があります。人工心肺装置は、心臓をとめている間、心臓の代わりに全身や脳へ血液や酸素を送るために使用するとても重要な機械です。
心臓の代わりとなるポンプの部分と血液に酸素を混入する肺の代わりとなる部分があります。また、体温調節機能や血栓予防の装置なども含まれています。
身体への負担が少ない手術
約1cmの穴を3ヶ所あけ、ひとつの穴から小さなカメラを挿入し観察、他の穴から挿入した鉗子や電気メスで手術を行うものです。手術による侵襲が少なく当日に帰れたり、大型犬の避妊手術や肝臓、腎臓の生検などには特にメリットがあります。
手術中にレントゲンを撮影
写し出すことができる機械。Cの形をしているアーム状撮影装置が回転することで、手術中リアルタイムに様々な角度から撮影することが可能です。この機械が無いときは、手術中に何度も患者をレントゲン室に運ぶか、手術中のレントゲン撮影を省く必要がありました。
主に高度な整形外科や首や腰の骨に関連する手術で使用しますが、ステント治療や透視撮影を用いる診断にも利用します。
血管縫合などの精度が高まる
(微小外科、血管外科)で術野を照明し、拡大する機械です。 当院の手術顕微鏡は最大25倍まで拡大でき、脊髄外科や尿管縫合、血管縫合、脳外科などで活躍します。
急性腎不全の救命に活躍
物質を取り除くので、内科治療に反応しない急性腎障害の救命率を格段に向上させることができます。また、レプトスピラ症やその他の細菌感染による敗血症性急性腎不全やエチレングリコール、腎毒性を起こす中毒などの治療にも活用されています。
耳道内の診断・治療ができる装置
高解像度の内視鏡装置を接続して、耳道内を鮮明に映し出すことができる耳鏡です。従来の耳鏡では評価が困難な水平耳道や鼓膜を詳細に観察でき、病気の原因を探ります。 また、観察するだけではなく、カテーテルや鉗子を挿入でき、耳道の洗浄や異物の除去、腫瘍の生検などの治療を検査と同時に行うことができます。 これまで治療や検査が困難であった難治性の慢性外耳炎や中耳炎、耳道内腫瘍、異物混入などの診断・治療に役立ちます。
生体に優しいレーザー治療器
コードレス・減菌下で使用可能
DePuy Synthes社製のバッテリー駆動型のコードレスパワーツールです。コードが無いため⼿術中の滅菌下でも取り扱いやすく、術者の動きを妨げることがありません。
先端のアタッチメントを付け替えることにより、⽳を開けたり(ドリルビット)、⾻を切ったり(サージカルソー)、ピンを⼊れたり(K-wire)と、様々な⽤途に使⽤することができます。
当院では⾻折や脱⾅、前⼗字靭帯に対するTPLO法など、整形外科分野を中⼼に多岐に渡る外科⼿術で使⽤されています。
筋肉や神経の異常に活躍する
筋⾁の収縮性やその異常が、筋⾁⾃体の変化なのか(筋⾁疾患)、神経からの刺激が伝わら なくて筋⾁の働きが弱いのか(神経疾患)を調べることができます。進⾏性筋ジストロフィー症、重症筋無⼒症、多発性筋炎・⽪膚筋炎、神経炎、筋痙攣、筋萎縮、脊髄腫瘍、筋萎縮 側索硬化症などの疑いがあるときに⾏います。また、神経のどの部位に異常があるかを調べることもできます。
動物への負担が少ない検査
プローブを体表面に当て、体内の臓器の境界面で反射(エコー)した音波を検出することで画像として描出する検査です。
これにより、レントゲン検査では見えない臓器も描出できます。
各臓器の形態を多方向から観察でき、心臓や腸の動きをリアルタイムに知ることが出来る他、腫瘍などの発見にも役立ちます。
ほとんどの場合が無麻酔、無鎮静で行える検査であり、痛みも伴わないため動物への負担が少ない検査です。
負担の少ない低侵襲な治療
小型撮像素子(CCD)で消化管の内部構造を映し出し、鉗子(かんし)と呼ばれる処置具を使うことで検査や治療を行うことができます。
動物に対して内視鏡を使用する場合は、検査をスムーズに行うため、動物の動きを制限する目的で全身麻酔をかけた状態で検査が行われます。
内視鏡が使われる目的は、異物の回収や嘔吐や下痢などの消化器症状の原因を調べるために内視鏡が用いられます。
内視鏡は、病気に苦しんでいる動物の症状の正確な解明や、開腹手術を避けた処置を可能とするなど、動物にとって負担の少ない低侵襲な治療に貢献します。
脳波の測定やMRIの補助にも
頭部(頭皮)のあらゆる部位に電極を設置して、脳の電気的信号を記録する機械です。
脳波に異常が認められるということは、大脳の機能障害を示唆し、てんかん診断や脳死判定などに用いられます。
例えば、発作症状が認められた場合、脳の電気信号の異常の有無によって、脳の異常(てんかんや脳死など)かそれ以外か判断することができます。
また、電気信号の異常を記録した電極から、おおかた病変部位を予測し、MRI検査の補助となることもあります。
多岐に渡る手術で活躍
OLYMPUS製の外科手術用エネルギーデバイスのことです。
高周波電流による高い血管封止能力と、超音波振動による素早い組織切断能力の両方を兼ね備えた最新の機器です。
この機器は、予防外科から高難度外科、腹腔鏡外科など多岐に渡る手術で使用することができます。
そして、体内に糸を残すことなく、より安全かつ短時間の手術を可能とします。
高性能なドレーゲル社の麻酔器
麻酔管理を行う医療機器です。
手術によっては多くの出血を伴ったり、血圧が落ちたりなどの急変が起こることがあります。また、全身麻酔では自発呼吸が停止していることも多く、麻酔器の人工呼吸によって呼吸がコントロールされています。
センター病院では、より高度な手術や、麻酔管理が必要な症例にも対応できるよう、ドレーゲル社の麻酔器を導入しています。高性能の換気、簡便な操作性を備えており、集中治療室のような性能を発揮します。 きわめて正確な呼吸管理が可能なため、大型犬はもちろん、小型犬にも適しています。
神経に直接麻酔薬を投与する
手術時の疼痛管理に使用します。
末梢神経に刺激を与え、神経内もしくはその近傍にて直接麻酔薬を使用します。
硬膜外や大腿神経、坐骨神経など手術の部位によって使い分けます。
神経に直接麻酔薬を投与することによって、全身麻酔における補助疼痛管理として実施します。